高松城復元市民の会研修旅行 中津城・小倉城の旅(平成29年6月29日~30日)

中津城前にて

高松城復元市民の会が企画した大分県中津市の中津城と北九州市の小倉城の研修旅行に参加したが、高松城のガイドをしている私にとってはどちらも高松城と関係が深く一度は訪れたいと思っていたので、1泊2日の研修旅行に喜んで参加させていただいた。

初日は愛媛県三崎港からフェリーに乗り、佐賀関港に着いて、臼杵城跡と臼杵石仏を見学した。私には今回の旅行の『おまけ』のようなものと思っていたのであまり期待をしていなかったが、私の予想に反してどちらも素晴らしい遺跡で、臼杵城跡では戦国時代のキリシタン大名である大友宗麟の思いが守りに徹した城の形状から伝わってきました。

2名のガイドさんの案内で臼杵城跡を見学し、ガイドさんとお話をしていろいろな情報を仕入れることが出来ました。例えば、地下壕の入り口をたくさん塞いでいるのを見て、戦時中は地下工場があって地下道が張り巡らされていたこと、戦後野球場にしていた広場が陥没したこと、また、城跡から見える白壁を目指して、小室哲哉(globe)の奥さんの実家の料亭教えていただき、あまり役には立たないがお得な情報?を仕入れました。その後訪れた臼杵石仏は、平安時代後期から彫られたもので、凝灰岩の岩壁に刻まれた60体あまりの磨崖仏群は、その圧倒的な迫力で歴史の重さ、深さを感じさせられました。この日は別府のホテル山水館に宿泊し、懇親会も大いに盛り上がりました。

翌日は黒田孝高(如水)が築城した中津城を訪ねた。高松城・今治城とともに三大水城に数えられており、高松城の縄張りをしたのが黒田孝高といわれている。中津城といえば黒田官兵衛孝高と思い込んでいたが、黒田家は13年で福岡に移封となり、その後入封した細川忠興(三斎)によって完成した城で、現在の天守は昭和39年(1964)に再建された模擬天守である。城内では大河ドラマで知られる「目薬の木茶 (300円) 」なるものをいただいた。

昼食は門司港まで足をのばし、レトロな洋館が素晴らしい三井俱楽部でフグステーキを賞味。午後から高松城のモデルといわれる南蛮造(唐造り)の天主をもつ小倉城を訪れた。この城は細川忠興が築いた九州の玄関口の城郭として重要な拠点であったが、この天守は昭和34年(1959)に再建された復興天守である。ガイドさんから天守の設計図は最初シンプルなものであったが、観光用には破風を付け足し派手な外観になったと聞いて驚いた。

今回の研修旅行はコース・日程とも申し分ない計画でご尽力いただいた関係者の皆様に感謝して帰路に就いた。

井上 協典