高松市の6月定例議会代表質問(6月28日)において、高松城の天守復元が取り上げられました。
坂下且人議員(自由民主党)の代表質問
次に、文化芸術についてお伺いします。
昭和30年に高松城跡(あと)が「史跡(しせき)高松城跡(あと) 高松市立玉藻公園」として一般開放されて以来、高松城の天守復元は、市民の永年の願いであります。
昭和60年代には外観図を作成し、文化庁に提出するも審査の対象にはならず、平成8年にも「史跡(しせき)高松城跡(あと)保存整備基本計画」としてまとめましたが、結果は変わりませんでした。
このような中、我が会派や市長の文化庁への要望活動、さらには高松城の復元を進める市民の会による天守復元の署名活動が功(こう)を奏(そう)し、令和2年4月、文化庁から復元等に関する新たな基準が示されました。新基準では、史跡などで歴史的建造物を再現する際、本来の意匠(いしょう)などを示す資料が見つからなかった場合には復元的整備と定義し、遺跡の保存に十分配慮するとともに、保存活用計画等において、復元的整備の目的及び効果が合理的かつ史跡全体の保存・活用の推進に寄与するものであることを整理するなどの手順が明記され、復元的整備も含めた再現が可能となったところです。
本市では、令和4年3月、国の新基準を踏まえ、天守再現の意義などをまとめた史跡高松城跡保存活用計画を新たに策定し、文化庁長官から認定を受けたと聞き及んでいます。今後は、天守再現に向けてのさらなる取組を進めていかれることと思いますが、文化庁から天守再現の許可が得られるよう早急(さっきゅう)に取り組んでいただきたいと考えます。
そこでお伺いします。
史跡高松城跡(あと)保存活用計画に位置付けた、天守再現の進捗状況と今後の取組についてお聞かせください。
大西市長答弁
次に、文化芸術に関し、史跡高松城跡(じょうあと)保存活用計画に位置付けた、天守再現の進捗状況と、今後の取組についてでございます。
高松城天守再現につきましては、文化庁から新たな基準が示され、「復元的整備」が認められるとともに、保存活用計画等に、再現の目的及び効果等を位置付けることや、遺跡の保存に十分配慮することなど、整備に向けた手順が示されたところでございます。
このことから、昨年3月には、天守再現が、史跡全体の保存活用に寄与することなどを明記した「史跡高松城跡(じょうあと)保存活用計画」を策定し、11月には、私自身が文化庁を訪問し、当該計画の認定を要望いたしましたところ、本年2月に、計画が認定されたものでございます。
今後の取組につきましては、より正確な天守再現に向けて、引き続き、高松松平家に残る近代資料の調査を行うほか、本年度から複数年かけまして、石垣や礎石(そせき)などの遺跡の保存にも十分配慮した上で、利用者が安全に見学できる天守再現の可能性を検証することとしておりまして、関係補正予算議案を今定例会に提出しているところでございます。
私としましては、本市の歴史を後世に伝える、意義ある高松城天守復元は、本市の活性化を図る上でも、様々な波及効果が期待できますことから、今後におきましても、機会をとらえて、文化庁に要望にまいりますとともに、天守再現の早期実現に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。